MINAMIOGUNI/KUROKAWA

南小国 ・黒川トレイル – 20km

コース上にmore treesのモニュメントがあることを知ったのは偶然だった…more treesは創立者である教授(坂本龍一さん)が代表を務めていたが、亡き後は隈研吾さんが引き継いでいる…森林保全を掲げて様々な活動に取り組んでいて、小国町ではつい先日大規模な植林を終えたばかりだ…何も知らずにエントリーしたのだけど、ふと気になって調べたらコース上に古いモニュメントがあることにたどり着いた…
https://www.more-trees.org
https://www.more-trees.org/forests/project7/
モニュメントは確かにあった…でも少し残念に思えたことは否めない…まるで隠れてこっちを見ているかのようだった…草を掻き分けて近づくと、辛うじて文字を残したモニュメントが現れた…そこは教授が直に足を運んでセレモニーをやった場所だった…一般の人が訪れるような場所ではないようだし、放置されるのは仕方ないのかもしれない…逆にこの大会に参加しないと訪れることができないレアな聖地と考えることもできるのかな…震災のピアノと同じように自然に還ろうとしてるかのようだった…これでいいのかもしれない…

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KIRISHIMA-EBINO

第12回 霧島・えびの高原エクストリームトレイル – 65.5km(DNF)

今回は完走したかったので残念…球磨川のエントリー資格が欲しかった…夜の森を感じたかったし、ポールが使えるのも魅力だった…

何が楽しくてトレイルを走っているのか…完走を意識しすぎるとついその事を忘れてしまう…困難なチャレンジであれそれも遊び…周りの評価が届かないところに楽しみは存在している…見失わないことだ…特に自然を舞台とする身体を使った試みは至高の遊びなのだと思う…

今日は”くれいじーかろ”さんに会えた…スタート前にトイレに並んだら次に”かろ”さんが並んできた…度胸がなくて気づかないフリをしてたら、その次の人が声をかけたので便乗した…上田瑠偉さん、若岡拓也さんに次いで”かろ”さんとのツーショットゲット…トレイルはトップランナーが近い…

結局一秒も寝れず…腰痛は1週間前にわざわざ痛めて治らず…第3エイドを過ぎてからは動きが鈍くなりつらかった…脚のあらゆる場所が断続的に攣り出した…エイド前になると頭痛と吐き気が襲ってきて足は止まった…3年前(そのときは完走できたが)と同じ症状…

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RETOUR

それらは不可解だ…
おそらく失くした答えを取り戻そうとしている…

それは野性の発露なのだろう…
身体が喜ぶこと…
あるいは癒し…

それは作品なのだろう…
どう育んで、どう終えるのか…
自分の中で響かせるもの…

それは力を持たない…
役に立たない…
知性は主役ではない…

文学でさえも、知性は主役ではない…
むしろ知性をほどく行為なのだと考えたい…
だからおそらく瞑想の系譜にあるもの…

TRAIL RUNNING

目指しているものがあるわけではなく…
むしろただ感じたい…

ネジが緩んでる?
むしろ緩めるために…

動物は答えを知っている
植物も知っている…
知らないのは私たち人だけ…

答えは私たちにも見えている…
ただ答えに見えない…
分からない…

代わりに意味を求める…
答えが欲しいのに…
意味を受け取ろうとする…

すべては答えでしかない…
私たちの意識がバーチャルなだけ…

身体がバーチャルを振り切ろうとする…
私を振り切ろうとする…

本来過ごすべき場所で…
見て、嗅いで、吸って、吐いて…
身体が求める動きの中で…
自然が与える負荷の中で…
自らを振り解く…

PROGRESS/RIGHT/FORCE

肥大化した脳は意識を作った…
意識は答えの代わりに意味を作った…

意味とは、成功、勝利、達成への道筋のこと…
名前も同じベクトルの中にある…
つまり「それ」という単位が作られる…
恣意的分離、抽出…

バーチャルな世界の誕生…
それは答えを持たない…
常に成功、達成、勝利、獲得、実現、正解を目指す…
それは犠牲を伴う…
犠牲という意味を伴う…
私たちにとっての犠牲…
例えばゴミ、貧困、争い、ストレス…

恩恵は犠牲を伴う…
その構造を暴力と言う…

知性はその本質に暴力性を備えている…
ただしそれもバーチャルなものだ…
私たちにとっての暴力…
動物にとってゴミは、ゴミでもゴミ以外でもない…

進歩も、正解も、力も…
すべてバーチャルなもの…
私たちは常に進歩を手に入れる…
いつも進歩…
森の木々や川や動物になることはない…

なぜ便利になるのか…
元々身の丈でないから…

私たちは変えることができるわけではない…
バーチャルな世界を生きているだけ…
常に求め続ける…

私たちの身体は野性に属している…
身体は苦しんでいる…

取り戻すべきものがある…

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KAGAMIZU

第11回 宮崎鏡洲の森トレイル – 26km

スタート直後に上宮逸子さんの後ろ姿が見えたので最初だけでもと追いかけたのだけど、渋滞を掻い潜ることができず程なくして見失った…

天気予報は嘘つきだ…雨マークは午前だけでしかも小雨だった…実際はトレイルに入ったあたりから土砂降り…森の中はかなり暗かった…止む気配はなく、おまけに風も強くなりまさにアドベンチャー…遠景などは勿論見えず、時折光が差し込み、森は幻想的な装いだった…

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GOKAYAMA-SEFURI

第4回 五ケ山・脊振クロストレイル – 32km

福岡と佐賀を走るレースに初参加…会場まで車で片道3時間半…遠かった…メイン会場にある五ケ山ダムを下から見上げるとまるでウォールマリア…走れるトレイルが多く自然の中を進む心地よさを感じることができた…急登の苦しさも身体を満たしてくれた…

慢性腰痛には波がある…今回は悪い周期にきてた…注射はせずキネシオとチタンテープに望みを託した…とりあえず軽度の痛みで済んだのでセーフとしたい…後半は着地が少し辛かった…レース前は腰痛で途中危険も想定するほどビビってた…一方で結局最後まで行くんだろうなと現実逃避に近い楽観視も…何とかなるものだ…

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SHODAI

第9回 Shodai Adventure Mountain – 22km

一年の初めにここで手を合わせることにしてる…昨年は上田瑠偉さんとツーショットを撮らせていただいた…今年は若岡拓也さん…思い切って声をかけて良かった…

昨年11月に帯状疱疹を患い、12月のロードレースを二つスルーしてしまった…年が明ける頃は治ってるつもりだったけど後遺症が残ってしまった…肩を中心に首や腕が痛む…いつまで続くのか…おまけに年明け早々風邪を患ってまだ戻らない感じ…練習できなかったし昨夜は眠れなかったし…とにかく欲張らず冷静に進めることだけ考えた…

案の定序盤から体が重かった…先が思いやられた…それでも今日走れていることが嬉しかった…

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ध्यानं

デカルトに倣って精神と肉体の二元論で考えてみよう…すると肉体はまるで無表情であるかのように思えてくる…悲しんだり楽しむのは精神の振る舞いなのだと…自分には精神と肉体は不可分であるように思える…むしろ悲しみ喜ぶのは肉体ではないのか…精神とは身体に属する何かであり、心とか魂も同じ括りの何かだ…それらとは違うもの、つまり身体とは違う別の何かがある…知性(とりあえずそう呼ぶ)は見たり聞いたり悲しんだり喜んだりはしない…無表情だ…それはバーチャルなものを生産する装置…

知性は「私」とともにある…それは身体に備わる自己ではない…身体は常に周囲と引き合っている…「私」は引き裂く…「私」は「死」とともにある…「死」とはバーチャルの属性…「私」が消えるとき「死」も離れていく…

巷では瞑想とかマインドフルネスが流行っているようで、安っぽさに拍車がかかっている…Thích Nhất Hạnh が google 本社で伝えたかったこと、それは本意とは違う方向に向かっているように思えてならない…

心を無にすると言う…そうだろうか? 無にするのは「私」ではないだろうか…おそらく裸の心は完全なのだと思う…「私」が目隠しをしている…閉じ込めている…

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