Bricolage

宮沢賢治が『ビジテリアン大祭』の中で「自分ばかりさっぱりしていると云ったところで、実際にほかの動物が辛くては、何にもならない…」と言ったように、他者に要求したくなる部分あるいは期待する部分はある…しかし強制はできない…

もし権利を掲げるなら「〜すべき」と強制することもできる…倫理やモラルに訴えて話すことができる…しかし権利とはヒト社会でヒトに与えられるものであって、もし動物に権利があるとするなら、それはヒト社会に巻き込まれない権利なのではないだろうか…もっと感覚的な理由…気持ちが楽だからであり心穏やかでいられるから…Pシンガーではなく、Cダイアモンドに同調できる部分…そこに「同胞」に対する感覚を見出すこともできる…同胞とは「代わりのない個」を意識できる存在のことと考えたい…近い動物にも感じることができる…ただしそれは昆虫や細菌、ウイルスへとヒトから隔たった存在になればなるほど希薄なものになっていく…境界はぼんやりしている…「個(あるいは孤)」を明確に感じるほどその消失を「死」と感じ、消す行為を「殺す」ことと感じる…

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BREAK, BLAKE

私は世界を作る…
理性は世界を保証する…

世界は意味で構築されている…
意味は力で、力は意味…
そこは現実と呼ばれている…

世界とありのままは違う…
ありのままも見えている…
しかしそこに意味はない…

概念、道具、お金、食料、資源、道徳…
意味が紡いでいるもの…
それらは力であり歪みだ…

田畑や道路や家屋を作るとき、私たちはそれを破壊とは思わない…
少なくとも気にしない…
都合が悪くなるまで破壊と認識することはない…

それらは何処かに蓄積される…
軍備、放射性廃棄物、貧困、ゴミ、病気…
恩恵は何かを犠牲にしている…

国家とは暴力装置であり…
経済とは格差をつくる装置であり…
そして技術は環境を破壊する…

それは通常気づかない…
理性は違う方向を向いている…

私たちは加害者なのだろうか…

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Usefulness

倫理…
それは無償の感覚や感情とは関係ない…
自分あるいは他者に(聖域を装い)要求すること…
https://hitkeas.com/2020/02/09/moral-tales/

健康…
それは本来の身体の状態とは関係ない…
薬によって維持されるもの…
https://hitkeas.com/2021/08/05/sante/

環境…
それは調和や共生の感覚とは関係ない…
人の住みやすさのこと…
https://hitkeas.com/2022/01/11/home/

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Billie Eilish

画像引用元

https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/a38354966/billie-eilish-turkey-thanksgiving-211126/
https://news.yahoo.co.jp/articles/a3df068acc2b7a48b2ec3aafc50f154c52675235
https://www.ellegirl.jp/celeb/a103849/c-billie-eilish-slams-all-lives-matter-20-0601/

「動物はすでに完成されたものとして存在しているのだから、その動物から何かを作り出すことには意味がないと思う。動物をそっとしておいて…」ビリーの解釈…
https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/the-reason-why-go-vegan-billie-eilish

自然には答えだけがある…
理由なんてない…
逆に人は答えを失くしてしまった…
理由だけを作り続けている…

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SANTÉ

言葉による思考、楽器の演奏…
足でボールを自在に扱い、筆で繊細な文字を書く…
答えを失ったからこそ獲得したものだろう…
アガンベンの言う「しないことができる」ことの恩恵かもしれない…

「できる」には「できない」が隠されている…
同じように健康には必ず病いが隠されている…
健康とは病のあり方に関わるものだろう…

健康を、身体、生活環境、地球環境の指標と考えよう…
それは生命そのものやその活動を維持するための指標…
完全はありえない…病んでいるのがヒトなのだから…
完全な健康はむしろ「健康」とは呼ばない…「自然」だろうか…
そもそも健康とは文明とともに現れた新しい指標だ…

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Fellow

■ われらみな食人種(「われらみな食人種」所収 )
■ 狂牛病の教訓(「われらみな食人種」所収 )
著 クロード・レヴィ=ストロース
監訳 渡辺公三
訳 泉克典

人は人を食べたいとは思わないだろう…
同じ理由で食べたくない動物たちがいる…

人は同胞を食べない…コーラ・ダイアモンドが見ているのは剥き出しの直感的な感覚だ…しかしレヴィ=ストロースが示すのは人によるカニバリズムの実態…単に愚かな行為、野蛮な行為として切り捨てられるものではないと言う…その意味合いも多様だ…栄養源、弔い、報復、魔術…ただそれらは逆に”超えることの重さ”を暗に示しているように思える…動物も人も供儀を通して神に捧げられた…動物の犠牲にもカニバリズム的意味合いが含まれていた…

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ビジテリアン大祭

ビジテリアン大祭(1934)
著 宮沢賢治

作家はデリケートな問題をオブラートに包んで語ることができる…クッツェーの「動物のいのち」にしろ、この「ビジテリアン大祭」にしろ、多くの人に是非読んでほしいが、読むのはおそらく菜食者だけだろう…相変わらず閉じている…そういう話かもしれない…肉食大国となった今日の日本をもし宮沢が見たらどう思うのだろうか…もし同様の作品を書くとしたら少し違う内容になっていたのかな…

まず菜食者をその理由で「同情派」と「予防派」に分けている…「同情派」は倫理的理由、「予防派」は健康を理由とする…主人公(宮沢?)は「同情派」…実行の方法から分類すると3つに分かれ、第一が完全植物食(ヴィーガン)、第二は乳製品&卵OK(ラクト・オボ・ベジタリアン)、そして第三は引用させてもらう…

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Speciesism

ピーターシンガーは動物の権利を主張する
その根拠となる客観的事実は存在するのだろうか
その権利は権利として機能するだろうか

自然権めんどくさい概念
生きるために殺す必要があれば殺すし食べる必要があれば食べる
必要なければ何もしない(ここが大事なのだが)…
それだけのこと

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Mind If I Order the Cheeseburger?

菜食への疑問に答える13章
著 シェリー・F・コーブ
訳 井上 太一

◼️Q13 – 完璧な菜食人にはなれないんだから、こだわらなくてもいいんじゃない?

この章も自分の率直な思いを…

肉食者は一部を取り上げて全否定に結びつける傾向がある(自分もそうだった
逆にヴィーガンも完全を求める傾向があるのだけど

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