Bricolage

宮沢賢治が『ビジテリアン大祭』の中で「自分ばかりさっぱりしていると云ったところで、実際にほかの動物が辛くては、何にもならない…」と言ったように、他者に要求したくなる部分あるいは期待する部分はある…しかし強制はできない…

もし権利を掲げるなら「〜すべき」と強制することもできる…倫理やモラルに訴えて話すことができる…しかし権利とはヒト社会でヒトに与えられるものであって、もし動物に権利があるとするなら、それはヒト社会に巻き込まれない権利なのではないだろうか…もっと感覚的な理由…気持ちが楽だからであり心穏やかでいられるから…Pシンガーではなく、Cダイアモンドに同調できる部分…そこに「同胞」に対する感覚を見出すこともできる…同胞とは「代わりのない個」を意識できる存在のことと考えたい…近い動物にも感じることができる…ただしそれは昆虫や細菌、ウイルスへとヒトから隔たった存在になればなるほど希薄なものになっていく…境界はぼんやりしている…「個(あるいは孤)」を明確に感じるほどその消失を「死」と感じ、消す行為を「殺す」ことと感じる…

Continue reading “Bricolage”

채식주의자

菜食主義者(2007)
著 ハン・ガン(韓江)
訳 きむ ふな

暴力とは…
人間特有の歪んだ様相だと思う…
動物の捕食や火山の爆発、津波とは違う…

暴力は文明とともにある…
理性によって作られる…
意味によって作られる…
私によって…

暴力は恩恵と犠牲の構造に関わっている…
恩恵のために犠牲に目を瞑ること…
意味が作り出すもの…

恩恵が恩恵を守ろうとする…
恩恵の連鎖…

人は暴力に頼って生きている…

Continue reading “채식주의자”

STOP MAKING SENCE

STOP MAKING SENCE(1984)
監督 ジョナサン・デミ
音楽/出演 トーキングヘッズ

意味は意味を求める…
いつも何かが足りない…
苦しみ、不安、退屈、不便…
それらと共にある…

動物も同じような行動をするかのように見える…
しかしその世界はすべてが答えなのだろう…
動物はゴミを生まない…
理由を持たない充ちた世界…

意味とは歪みであり力…
私であり答えの喪失…
恩恵と犠牲…

人は常に答えを探している…
やめられない…

意味を和らげること…
有用性、道徳からの解放…

Continue reading “STOP MAKING SENCE”

BREAK, BLAKE

私は世界を作る…
理性は世界を保証する…

世界は意味で構築されている…
意味は力で、力は意味…
そこは現実と呼ばれている…

世界とありのままは違う…
ありのままも見えている…
しかしそこに意味はない…

概念、道具、お金、食料、資源、道徳…
意味が紡いでいるもの…
それらは力であり歪みだ…

田畑や道路や家屋を作るとき、私たちはそれを破壊とは思わない…
少なくとも気にしない…
都合が悪くなるまで破壊と認識することはない…

それらは何処かに蓄積される…
軍備、放射性廃棄物、貧困、ゴミ、病気…
恩恵は何かを犠牲にしている…

国家とは暴力装置であり…
経済とは格差をつくる装置であり…
そして技術は環境を破壊する…

それは通常気づかない…
理性は違う方向を向いている…

私たちは加害者なのだろうか…

Continue reading “BREAK, BLAKE”

Games Without Frontiers

GAMES WITHOUT FRONTIERS(1980)
PETER GABRIEL

戦争犯罪という言葉がある…
ルールを守りましょうということだ…
暴力は犯罪ではないらしい…

たくさん人を殺すと英雄になれる…
ただし勝たないといけない…
勝てば原爆を落としても大丈夫…

国家の最大の操り人形は権力者だろう…
そもそも国家なんて存在しないのに…
今日も動物たちは簡単に国境を跨いでいる…

Continue reading “Games Without Frontiers”

いのちの種を抱きしめて

いのちの種を抱きしめて(2014)
出演 ヴァンダナ・シヴァ、辻 信一、サティシュ・クマール

反グローバリズムや脱成長という言葉をよく目にするようになった…それらは地球上のあちこちで実際に見られる現象でもある…この動きは決して一過性のものではないのだろう…サパティスタにしろ、ナヴダーニャにしろ基本的な考えは同じなのではないだろうか…グローバリズムによって世界はお金で繋がった…国境を越えて大企業が利を得る社会となってしまった…

ヴァンダナ・シヴァはガンディー思想の後継者でもある…コモンズ、ローカリゼーション、アース・デモクラシー…ひとまわりしてまたガンディーに戻ってきた…

https://hitkeas.com/2017/12/01/ガンジーの危険な平和憲法案/

Continue reading “いのちの種を抱きしめて”

Usefulness

倫理…
それは無償の感覚や感情とは関係ない…
自分あるいは他者に(聖域を装い)要求すること…
https://hitkeas.com/2020/02/09/moral-tales/

健康…
それは本来の身体の状態とは関係ない…
薬によって維持されるもの…
https://hitkeas.com/2021/08/05/sante/

環境…
それは調和や共生の感覚とは関係ない…
人の住みやすさのこと…
https://hitkeas.com/2022/01/11/home/

Continue reading “Usefulness”

SDGs, VEGAN, COP, TTP…

農薬が素晴らしい発明として歓迎されたこともあったのだと思う…
持続可能が今の発明になったに過ぎない…
全ては有用性の中で語られる…
それを捨てる発想ではない…
薬で健康を維持するようなもの…
原発で生活を維持するようなもの…
必要な力技なのかもしれないけど…

今より住みやすく…もっと住みやすく…
それは調和とか共生の感覚とは関係ない…
ただの我がままだ…
地球と同じ環境の星に移住できたら…
きっとSDGsはすぐに捨てられるのだろう…

ヴィーガンにしても動物の権利はこじつけ…
環境保全や健康は有用性つまり果てしない恩恵と犠牲の探求…

地球が温暖化してるとか…
その犯人が二酸化炭素だとか…
その要因が人の活動だとか…
そんなことより人と家畜の異常な個体数…
すでに地球と釣り合っていないのではないか…
いつから二酸化炭素は悪者になってしまったのか…

目先の数字を変えても何も変わらないだろう…
理性(有用性)は釣り合わない…

Continue reading “SDGs, VEGAN, COP, TTP…”

El Pepe

■ El Pepe, una vida suprema(2018)
監督 エミール・クストリッツァ

■ ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ(2020)
監督 田部井 一真

一市民と本気で口論するシーンがある…クストリッツァは等身大のホセ・ムヒカを撮ろうとしていた…対して田部井監督の方は監督の思いが伝わる内容になっている…日本との意外な接点も知ることができた…日本でのスピーチでは奥さんの反応見て泣いてしまった…あと日本版のプロデューサーは大島渚さんの御子息である大島新さんだ…

▶︎有名なスピーチより…

「我々は発展するために生まれてきたのではない…幸せになるために地球に生まれてきたのだ…」

「貧乏とは少ししかもっていないことではなく、もっともっとと欲しがることである…」

Continue reading “El Pepe”

ウンコ

ウンコは汚いのだろうか…
確かに臭い…触りたくない…
しかし自然界にトイレはない…
ウンコもシッコも巡っている…

自然界に汚れは存在しない…
ウジ虫も蜘蛛の巣も死骸も汚いわけではない…
おそらく汚れは自然と文明の境界に生まれる…

ウンコは還ろうとしている…
すぐに還ろうとしている…
それを文明が邪魔している…
だから汚い…

汚さとは状態ではなく感覚だ…
ある意味理性が作り出す感覚…
理性と相入れず漏れてくる感覚…

Continue reading “ウンコ”