The One Straw

わら一本の革命
著 福岡正信

第5章 病める現代人の食 – 自然食の原点

「自然食の目的は、上手に解説していろいろの食べ物を選択する知恵者を造ることではない。自然の園から食物を無心にとっても天道にそむかない、無智の人間を造るためのものである。」(p206)

「もし人が真人であり、心身が真に健康であれば、人間は自然の中から誤りなく正しい食べ物を無分別でとる能力が自然にそなわっているはずである。」(p219)

核心は歴史とか栄養ではない…身体に問いたい…人はデフォルトで動物を食べたいと欲すのだろうか…動物ではなく加工された「肉」を食べたいだけではないだろうか…それは本性なのだろうか…何れも壊さず傷つけず、心地よければそれでいい…しかし人の知的操作は相応の歪みをもたらす…外部も内部もない…ひとつの歪みがある…

人が病気になるその流れは、人の存在そのものを病的なものに変えてしまった…いま人は地球の癌細胞になっている…街や砂漠はその結果だ…必要なのは感謝と節度と、それらが育つ環境ではないだろうか…例えばネイティブ・アメリカンや仏教が伝えてくれるもの…

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The One Straw

「子供は無知にして明晰、仏に近く、大人は学び知恵多くして昏迷、仏に遠い馬鹿となる」(p184)

わら一本の革命
著 福岡正信

第4章 緑の哲学 – 科学文明への挑戦

「人間の知恵は、いつも分別に出発してつくられる。したがって人知は分解された自然の近視的局部的把握でしかない。自然の全体そのものを知ることはできないので、不完全な自然の模造品を造ってみて、自然がわかってきたと錯覚しているにすぎない。」
「人間は本当に知っているのではないということを知ればよい。人知が不可知の知であることを知れば、分別知がいやになるはずである。分別を放棄すれば、無分別の知が自ずから湧く。知ろう、わかろうなどと考えなければわかるときがくる。緑と赤を分ければ、その瞬間から真の緑や赤は消える。天地を分別すれば、天地はわからないものになる。天地を知るためには、天地を分けず、一体としてみるしかない。天と人の融合である。統一、合体するためには、天地と相対する人間を捨てる、自己滅却以外に方法はない。」(p153)

走ることは自分を緩める方法だと思っている…
「自分を緩める」とはいわゆる「瞑想」ではないだろうか…

「人類の未来は、何かをなすことによって解決できるのではない。自然はますます荒れ果て、資源が枯渇し、人心が不安におののき、精神分裂の危機に立つのは、人が何かをなして来たからである。なにをすることもなかった、してはならなかったのだ。人類救済の道は、何もしないようにしようという運動でもする以外に方法がないところまで来ている。発達より収縮、膨張より凝結の時代にきている。科学万能、経済優先の時代は去り、科学の幻想を打破する哲学の時代が到来している。なんて言い出すと、達磨さんが黙ってにらんでいるようだ。達磨さんとにらめっこするしかない。笑った方が負けである。笑い事ではない。」(p157-158)

「神」が力を持っていた時代を経て、いま「知」が力を持っている…人はいま「知」を絶対視し崇拝している…それはただ、神が知に変わっただけのこと…いわゆる宗教に冷めた視線を送りながら、実際は気づかないうちに新しい宗教に染まっている…

「胃の弱い人間を作っておけば、消化しやすい白米がありがたがられる。消化しやすい白米食(粕)を常食にしておけば、栄養が不足してバター、ミルクという栄養素が必要にもなる。水車や製粉工場は人間の胃腸の働きの代わりをして、胃腸を怠け者にすることに役立っただけである。」(p166)

人はいつから多品目食になったのだろうか…なにかと「何でも食べろ」という言葉が幅を利かせている…他の動物は粗食でありながら栄養の偏りや不足はない…そういう意味で何かが退行しているのではないか…国や地域で自給ができなくなるのと同じように、ヒトは粗食から遠のいてしまっている…なんでも食べろと言う前に、土壌や腸内環境を含め精査し、粗食の可能性をもう一度見直すべきじゃないだろうか…「何でも食べろ」は、病や環境破壊を肯定(つまり思考停止)している…

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フルータリアン・ダイエット

フルータリアン・ダイエット
著 池田 悟

「本来」は現状を否定しようとする…すでに無視できるケースもあるだろう…しかし逆に見えにくくなってはいても、まだ私たちの内外でしっかり息づいているケースもあるはずだ…

完全な再現は難しいのかもしれない…例えば果実食とはいえ、近場に実っているものを採集して食べるわけではない…アボカドも現代の流通のおかげで手に入れることができる…ベアフットランニングにしても、それはシューズありきのものであって、本当の裸足によるものではない…それでも私たちは「本来」を無視するわけにはいかない…無理や苦しみは嫌いだから…そして知りたい(知らない=知ることができない)から…

「本来」は何を指標にしたらいいのだろう…身体のことに関して考えるなら、それは「自然」ではないだろうか…ただその「自然」が何なのか分からない…遠い過去に原型があるとしたら、いつまで遡るのかという話にもなる…水中から地上に生活を移行したあとの話と考えていいのだろうか…二足歩行以降の話だろうか…とりあえず現在を見て、病気になりにくいとか、怪我をしにくいとか、そういう傾向が指標になりえるのだろう…そこから「本来」を逆算して導き出す…「本来」は過去と現在の会話がベースになっている…

「本来」は私たちの「切り取り方」に依存している…「自然」を装った強い言葉だが、「自然」の追求において消費されるべきものではないだろうか…決して答えではない…私たちは答えを失っている…「自然」は答えだが、「本来」は答えを装ったもの…

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動物を食べること

動物を食べること…
それは不快なこと…
悲しいこと…
怖いこと…

少なくともハードルは高い…
その感覚を大事にしたい…

気持ち悪さとは何だろう…
それは同類に纏わるもの…
「死」や「殺」を含んでいる…
「代わりのないもの」の消失に関わっている…

なぜ食べないのかと問われると…
ただ「食べたくないから」と答えるしかない…
特別な理由があるわけではない…
あるとすれば「他に食べるものがあるから」だろう…

環境の話は、もうやめよう…
それはヒトの住みやすさのこと…
共生の感覚とは関係ない…

健康の話も、もうやめよう…
それは薬によって維持されるもの…
身体の自然な状態とは関係ない…

道徳の話も、もうやめよう…
それは損得が聖域を装ったもの…
無償ではない…

もし草花の育たない場所で暮らすなら…
もし狩猟採集がその土地の生き方なら…
そこには仕方のない殺生がある…
感謝と節度がある…

動物を食べることにこそ理由が必要だ…
なぜ食べるのか…

今の先進国においてその理由とは…
栄養だろうか…
舌を満たすことだろうか…
みんな食べてるからだろうか…

もっと素朴で剥き出しな感覚…
答えはそこにある…

人は動物を食べたいのだろうか…

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RETOUR

それらは不可解だ…
おそらく失くした答えを取り戻そうとしている…

それは野性の発露なのだろう…
身体が喜ぶこと…
あるいは癒し…

それは作品なのだろう…
どう育んで、どう終えるのか…
自分の中で響かせるもの…

それは力を持たない…
役に立たない…
知性は主役ではない…

文学でさえも、知性は主役ではない…
むしろ知性をほどく行為なのだと考えたい…
だからおそらく瞑想の系譜にあるもの…

The One Straw

わら一本の革命
著 福岡正信

スピノザ、般若心経、レヴィ=ストロース、ソロー…もし読んだことがあり腑に落ちるものを感じたのなら、福岡氏の言葉もおそらく届くのではないだろうか…一般的には距離を置きたくなるような話だ…なのに自然農法あるいは自然農に惹かれる人は多い…農法が多くの人を惹きつけるツールになっている…

第1章 自然とは何か(無こそすべてだ)

「人間というものは、何一つ知っているのではない、ものには何一つ価値があるのではない、どういうことをやったとしても、それは無益である、無駄である、徒労である。」(p8)

「今まである、ある、と思って、一生懸命に握りしめていたものが、一瞬の間になくなってしまって、実は何もないんだ、自分は架空の観念を握りしめていたにすぎなかったのだ、ということがわかったような気がしたんです。私はまさに狂喜乱舞というか、非常に晴れ晴れとした気持ちになって、その瞬間から生き返ったような感じがしました。とたんに、森で鳴いている小鳥の声が聞こえるし、朝露が、のぼった太陽にキラキラ光っている。木々の緑がきらめきながらふるえている。森羅万象に歓喜の生命が宿るというか、ここが地球の天国だったということを感じたんです。自分の今までのものは、一切が虚像であり、まぼろしであったのだ、そして、それを捨て去ってみれば、そこにはもう実体というものが厳然としてあった、ということだったんです。」(p13)

バーチャルという言葉を使いたい…抵抗を感じる言葉だとは思うが自分にはとてもしっくりくる…人の知的認識の在り方を説明している…偽物だと(他に本物があると)言ってるのではなくて、作り物ということ…国家やお金や食べ物やエネルギーや道徳…それらは私たちの作り物であり、その世界の中で私たちに対してのみ力を持つもの…

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TRAIL RUNNING

目指しているものがあるわけではなく…
むしろただ感じたい…

ネジが緩んでる?
むしろ緩めるために…

動物は答えを知っている
植物も知っている…
知らないのは私たち人だけ…

答えは私たちにも見えている…
ただ答えに見えない…
分からない…

代わりに意味を求める…
答えが欲しいのに…
意味を受け取ろうとする…

すべては答えでしかない…
私たちの意識がバーチャルなだけ…

身体がバーチャルを振り切ろうとする…
私を振り切ろうとする…

本来過ごすべき場所で…
見て、嗅いで、吸って、吐いて…
身体が求める動きの中で…
自然が与える負荷の中で…
自らを振り解く…

PROGRESS/RIGHT/FORCE

肥大化した脳は意識を作った…
意識は答えの代わりに意味を作った…

意味とは、成功、勝利、達成への道筋のこと…
名前も同じベクトルの中にある…
つまり「それ」という単位が作られる…
恣意的分離、抽出…

バーチャルな世界の誕生…
それは答えを持たない…
常に成功、達成、勝利、獲得、実現、正解を目指す…
それは犠牲を伴う…
犠牲という意味を伴う…
私たちにとっての犠牲…
例えばゴミ、貧困、争い、ストレス…

恩恵は犠牲を伴う…
その構造を暴力と言う…

知性はその本質に暴力性を備えている…
ただしそれもバーチャルなものだ…
私たちにとっての暴力…
動物にとってゴミは、ゴミでもゴミ以外でもない…

進歩も、正解も、力も…
すべてバーチャルなもの…
私たちは常に進歩を手に入れる…
いつも進歩…
森の木々や川や動物になることはない…

なぜ便利になるのか…
元々身の丈でないから…

私たちは変えることができるわけではない…
バーチャルな世界を生きているだけ…
常に求め続ける…

私たちの身体は野性に属している…
身体は苦しんでいる…

取り戻すべきものがある…

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FIT

成功や獲得や達成は私たちに正解を見せてくれる…ただそれは調和とか適応とは違うものかもしれない…手に入れることだけではなく、手放すことも必要なのではないだろうか…できることを少しずつでいい…この社会は元々私たちにフィットしていない…争い、貧困、ゴミのことはもちろん、そもそも身体にフィットしていない…地球と身体に、つまりその能力にフィットしていない…精神的ストレスと環境破壊は同質のものだ…

知性が身体を借りて見ようとする…
知性が身体を侵食し始める…
目は曇り始める…

答えを見失い意味が始まる…
より優位に、より便利に、より刺激を…

バーチャルが始まる…
喪失が始まる…

私たちは無理をしている…
背伸びしている…

恩恵と犠牲は新たな調和なのだろう…
この世にプラスチックが生まれても、
そのうち私たちがいなくなるにしても、
何の不足も余剰もない…

それでも私たちは求める、苦しむ…
フィットしていないから…

私たち動物に本来備わるものがあるとして…
その何かとうまく付き合うべきなのだろう…

まだ覚えているなら…

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DROITE

菜食の人たちも、肉食ありきの人たちも…
みなさん平等とか権利が好きかもしれない…

自分がそれらを翳すことはない…
むしろ平等とか権利を警戒している…
そこには暴力が隠れているから…
だから知性との付き合いかたを考えている…

平等とか権利は「私」の産物…
人社会特有のもの…
野生にそんなものはない…
動物に権利があるはずない…
可能なら動物には関わらないことだ…
それぞれの生き方を尊重したい…

野生に「食べ物」は存在しない…
「エネルギー」も存在しない…
それらは人が作り出しているもの…
人が意識したときに始まっているもの…
「平等」もない…
平等ではないということではなくて…
平等も不平等もないということ…
バタイユが言うように、そこは水の中の水…
食べ食べられることに優劣があるわけではない…
優劣は私たちが見ているに過ぎない…

だからピーター・シンガーには賛同できない…
動物に権利があるとするなら、
それは人社会に巻き込まれない権利だろう…

平等は私たちの知性の産物…
本来を装っているが違う…
私たちが発明したもの…

自分の菜食の話は他と違うかもしれない…
倫理の話ではないし強制するものでもない…

もっと感覚的なもの…
もっと澄んだもの…
それを大事にしたいだけ…

必要なら動物も食べる…
必要ないなら食べない…

そしてできれば食べて欲しくない…
自分だけさっぱりしてても悲鳴は消えないから…

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