MEMORIA

メモリア(2021)
監督 アピチャッポン・ウィーラセタクン

停止してると思ったら普通に再生されてたということが何度もあった…全編タルコフスキーのような長回しで構図も綺麗…ただ被写体が全く動かない長回しも多く、周囲の微妙な草の揺れで再生を確認することも…

「ブンミおじさんの森」は観てないのだけど、アピチャッポン監督はアニミズム的な思想を持ってるのかもしれない…様々なものに記憶が宿り、それを受信再生する…それは私たちの知性が壊れる様子を描写していると解釈できないだろうか…私が私でなくなろうとしているかのような…個が絶え一つの流れになる…そう考えると全体のスローなテンポや辻褄の合わないことが、逆に納得できるような気がしてくる…

ティルダ・スウィントンは制作にも大きく関わっているらしい…立ってるだけの演技も流石…アピチャッポン監督も、背中だけで何分も撮ったり、とてもいい画だと感じた…曲はむしろ邪魔と思える映像…一種のリアルな体験なのだろう…

ダリは飲んでたのか…

失礼だが、タイからこういう作家が生まれることが不思議だ…プラープダー・ユンにしてもしかり、とても自由な表現をしている…軍事政権なのに…と思ってしまう…タイはミャンマーやアフガニスタンとはどう違うのだろうか…