幸福と無知

私たちは幸せになりたいと願っている…
あるいは平穏に暮らせればと願っている…
それが最低限の慎ましい願いと思っているかもしれない…
しかしそれは富や力によって支えられている…

私たちは食べられることを受け入れない…
動物の抵抗とは違う…
私たちの抵抗は「逸れ」ている…

私たちの幸せは、奪うことで成り立っている…
奪うことなしに富や力は得られない…
奪うとはつまり環りにくくなるということ…
逸れる(歪む)ということ…

意識や思考が始まったとき、
切り取り、写し、抽出という対象化が始まる…
「世界」と同時に「私」が始まる…
本来ひとつのものがバーチャルへ移行する…

バーチャルとは、
答えの不在であり、
作り物であり、
暇と退屈であり…
想像界であり…
ニヒリズムであり…
空であり…

私たちは解決を試みる…
制限と達成を作り出す…
損得、優劣が始まる…
欲望という病気が始まる…
道徳という偽装が始まる…

達成もバーチャルなものだ…
進化、進歩、獲得、成功、成就、勝利、完成…
私たちはそれらに正解を見るようになる…

正解は奪うことで成立している…
必ず負の部分、犠牲を伴っている…
負の部分は目の前から消えているかもしれない…
それらがまた現れるのは、ずっと遠くかもしれない…
それらはゴミや格差や争いや差別や病気やストレスやクマ被害となって現れる…
それらもバーチャルなものではあるが…

何かが起こっている…
私たちは気づかない…