エドワード・ヤンの恋愛時代(1994)
監督 エドワード・ヤン(楊德昌)
この夏、古い友人たちと会った…今となれば眩しい記憶が蘇る…懐かしさだけじゃなく歯痒さに似た感覚も湧いてきて、そういう気持ちになれたことが何故か嬉しかった…当時を振り返ると、許して欲しいと思うこともそれなりにある…そういうものだろう…大切な思い出だ…
エドワード・ヤンの映画を見ると、古い記憶が刺激される…急速に近代化する台湾には、ここ日本で若いとき感じていた時代の流れと同調するものがあるのかもしれない…ヤンの視線はいつも優しい…少し引いた距離感ですべてを写し出す…
散らかりすぎて頭の整理に時間がかかる上に、凝縮されすぎて気持ちの整理もできないまま終わりを迎えてしまった…とにかく忙しい映画だ…これが現代社会なのかもしれない…
お金や名誉というのは、結局満たしてくれない…法律や道徳(枠組みに関わるもの)も同じ類いのものだ…日常はつまらなさで溢れている…進歩、正解、勝利、美味(動機や成果に関わるもの)、いずれにしろ変わらない…私たちはそういう世界でしか生きられない…人はいつの間にか進んで勘違いするようになった…
勘違いに気づいてる感覚…
その感覚を大事にしたい…