フランドン農学校の豚

フランドン農学校の豚(1934)
著 宮沢賢治
画 nakaban

「個」を描いた物語なのだと思う…擬人化しているが、それは私たちが豚に感じることのできる「個」の姿…植物や菌などには感じることができないもの…代わりのないもの…

それは人だけが感じるものではなく、動物たちも持っている感覚ではないだろうか…つまり身体に属するもの…人に特有の「私」が感じているものではない…倫理とか道徳とかモラルの類ではない…

倫理、道徳、モラル…それらは自分や他者に課すこと或いは要求することだ…無償のものではない…損得が善悪を装ったもの…一定の集団が維持されるとき、構成員の中に育つもの…

否定ではない…
受け入れること…
そこから始めたい…
解決しようとか、そういう話ではない…
どう折り合いをつけたらいいのかという話…

私たちは、
100%加害者であり…
100%無実であり…
100%違う選択ができる…