大象席地而坐

象は静かに座っている(2018)
監督 胡波(フー・ボー)

負の連鎖が続く…
喜劇じゃないかと思うほど…
戦争や飢餓のような最悪の事態というわけではなく、
人社会のゴミのような部分が凝縮されている…
万人のすぐそばにあるもの…

手ブレ長回しときつめのフォーカス…
ワンシーンを違う視点から別カットで撮ったり…
日暮時の長回しで終わる頃は暗くなってたり…
印象的なシーンは多かった…

映画を観ると体に新しい血が流れるかのようだ…
何か救いのようなものを感じる…
芸術にはそういう癒し効果がある…
象を見に行くことも似ているのだろう…
逃げているわけではない…
そこに希望を見出しているわけでもない…

ただ、完成後監督は自ら命を絶ってしまった

(*画像引用元

この映画の特徴である長回しの撮影風景…これはリハでしょう…背後から追うシーンも多かったが、被写体を舐めるように角度を変えて撮る長回しも絶妙だった…特にこのシーンはあちこち動く…カメラマンすごいなと思って(一階だったんかい!とも思って)見てた…右の人が持ってるのは何なのか? 座ってるのは胡波監督…

タル・ベーラ監督の影響ももちろん感じるのだけど、ジャームッシュやカウリスマキ(弟)の影響もあるんじゃないかな…ラストシーンはカウリスマキのテイストを感じた…

正直言うと3人が駅で会うシーンは不自然に感じた…遠目に目に入って隠れたりとか、そういうシーンを少し挟んでもよかったかな…