Lorenz

Die acht Todsünden der zivilisierten Menschheit
Konrad Lorenz

◼️3 人間どうしの競争

「正のフィードバックの特殊な事例は、同一種の個体がたがいに競争状態に入るときに生じる。そのような競争は淘汰を通じて種の進化に影響を及ぼす。種内淘汰は、種の外から環境要因によってひきおこされる淘汰とは違い、その種が生き残るチャンスを減らすばかりでなく、たいてい明らかに有害である遺伝子の変化を生じさせる。」(p35)

「人間と人間との競争は、今までにいかなる生物学的な要因もなさなかったこと、つまり、「永遠に活動し、有益な創造をなす力」にまっこうから対抗し、この力が生み出した価値を、価値に盲目な商業的思わく次第でどうにでも動く冷酷な悪魔のこぶしによって、ほとんどすべて破壊するということをやってのけるのである。」(p37)

「昔の飛行機よりちょっとだけ速く大西洋を飛び越える飛行機ができたとき、そのために必要になる滑走路の延長や離着陸の困難さ、またそれによって増大する危険、大きな騒音などにどのくらいの価格が見合っているのかと尋ねる者はいない。三十分を獲得することそれ自体が、だれの眼から見ても、いかなる犠牲にも値する価値と映るのである。」(p38)

知性の避けられない構造…暴力の構造…言い過ぎではない…自覚するには集中が必要かもしれない…集中というより論理的思考を捨てることだ…リンゴを見るとき、裏側や中身や生産地や生産者は見えない…それでも例えば無視できないほどの汚染には気付くのだろうが、しばらくするとSDG’sのような発想がでてくる…薬が効かなくなると新しい薬を求める…そういう解決の仕方しかできない…

例えば人はなぜキャンプを楽しむのだろうか? 制限の中で楽しんでいる…便利を追い求めることに逆行している…そこに癒しさえ感じている…人の身体(心とか精神というものも含む)が求めているのだと思う…知性ではないもの…

「忙しい人間はたしかに欲望に惑わされているだけではない。どんなに強い誘惑といえども彼をそれほどエネルギッシュな自滅にまではそそのかさない。彼はかりたてられているのであり、彼をかりたてているは不安以外にはありえない。」(p39)

「不安にせきたてられ、せかれて不安になるために人間は自分のいちばん大切な性質を忘れてしまう。そのひとつは反省である。」(p39)

「自分自身の存在をまだ知らない者は、抽象的な思考や言語や意識や責任あるモラルを発達させることはできない。反省をやめてしまう者は、こうした人間固有の性質や機能をすべて忘れさる危険がある。」(p39)

「きちがいじみた競争の増加の中に進歩を認めるようにごく幼い子供のときから教育されている。」(p40-41)

知性はバーチャルだ…それは答えを失くしたということ…バーチャルは常に答えを探す…しかし答えに気づかない…いつも意味を答えだと思っている…競争はそこから生まれる…

科学を絶対視する思考と、競争社会は連動していると思うそれは知性や論理が主導する状態にあるということレヴィ=ストロースの言う野生の思考とは違うもの