水俣曼荼羅(2021)
監督 原 一男
ここには縮図がある…
文明の基本構造と言っていい…
大きな社会でぼんやりしているもの…
恩恵は犠牲の上に成り立っている…
差別、病気、貧困、環境破壊、動物の犠牲…
法律や倫理とは何なのだろう…
戦争にもルールがあるらしい…
大きな社会は超間接的につながっている…
多くの場合加害者は特定できず…
被害者の姿も見えない…
末梢神経が損傷している場合、自覚症状があるらしい…
脳が損傷している場合、末梢の麻痺が分からないらしい…
ほぼ地元だけど、「MINAMATA」にしろ「曼荼羅」にしろ地元で観た人がどれだけいるのだろうか…むしろ地元だから見ないのかもしれない…地元民と他所者の評価には必ず溝がある…同じ地元民でも立場や意見は違う…善と悪を固定すべきでないことも分かる…誰かを責めるというよりも、人社会の在りようを見極めたい…水俣病だけの問題ではない…
煽るような音もなく、ある意味バタイユが求めていた「ありのまま」を描いているのかもしれない…自分としては、できれば行政側の話も聞きたかった…話してはくれないだろうけど…市民の声も聞きたかった…どういう認識なのか…若い人と年配の人では違うのか…当事者とそれ以外では温度差が著しいのか…
水俣エコパークは何度も利用している…水銀汚染物質を埋め立てて作られているらしい…歴史は知っといてもいい…水銀が消えるわけではないようだし…
https://minamata-kouen.com
資料館のリンクあり…
https://minamata195651.jp/index.html
ジョニー・デップの「MINAMATA」も見たのだけど、自分には届かなかった…キレイすぎた…スティーブ・ビコを描いた「遠い夜明け」やブラッド・ピット主演の「Seven Years in Tibet」も同じ理由でピンと来なかった…実在の人物を描く難しさがある…不自然に整えている不快さがつきまとう…QUEENを描いた「Bohemian Rhapsody」も予想つくので観てない…役者が演じるドキュメントは基本嫌いだ…
先に公開されたのは「MINAMATA」だが「曼荼羅」の方が撮影期間は長い…20年間撮り続けて、6時間強の映画に仕上がった…テレビのドキュメントシリーズと思えばそう長くはないのかもしれないが…