El Pepe

■ El Pepe, una vida suprema(2018)
監督 エミール・クストリッツァ

■ ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ(2020)
監督 田部井 一真

一市民と本気で口論するシーンがある…クストリッツァは等身大のホセ・ムヒカを撮ろうとしていた…対して田部井監督の方は監督の思いが伝わる内容になっている…日本との意外な接点も知ることができた…日本でのスピーチでは奥さんの反応見て泣いてしまった…あと日本版のプロデューサーは大島渚さんの御子息である大島新さんだ…

▶︎有名なスピーチより…

「我々は発展するために生まれてきたのではない…幸せになるために地球に生まれてきたのだ…」

「貧乏とは少ししかもっていないことではなく、もっともっとと欲しがることである…」

▶︎クストリッツァ版より…

「私の考えの多くは、独房時代の経験から生まれた…あれがなかったら浅はかで卑しい人間になっていただろう…成果主義で短絡的で、尊大な人間に…」

「銀行を襲ったことは悔やんでいない…人々を競わせる…最も重い罪だ…他人の金を使って収入を得る…労働によってではなく…それが資本主義の本質で真髄だ…」

「社会主義を信じた大勢の人々は資本主義に寝返った…資本主義をオモチャにしてる…それ以外の私のようなものはできることを模索している…資本主義では解決しない…」

▶︎日本版より…

「今の日本人は…産業社会に狂わされていくだろうね…すごく進歩を遂げた国だと思う…でも日本人が幸せかどうかは疑問だ…」

「日本は鎖国をしていて…西洋の進んだ技術に対抗できないことを認め…彼らに勝る技術をつくろうと頑張った…そして成し遂げた…でもそのとき日本の魂を失った…」

「消費を繰り返し、ほぼ新品の物を捨てて買って…自然を壊していく…人は働く時間を減らし、生きる時間を増やす必要がある…」

「根本的な問題は…君が何かを買うとき、それをお金で買っているわけではないということ…そのお金を得るために費やした人生の時間で買っているんだよ…」

「鍵となるのは、日本が歴史のある時点で、欧米を模倣し越えようと決意したことだと思う…そして欧米の欠点を増長させ、自らの歴史から遠ざかりすぎた…過去の宝物を忘れすぎた…」

X X X X X X X X X

象徴的な意味で…
畜産業が日本に入ってきたのも明治維新後だ…
それまでは長いあいだ例外はあれど概ね菜食の時代だった…
その中で味噌や醤油、納豆、甘酒が生まれた…
しかし大戦後は逆に肉食大国となってしまった…
何かを失ってしまった…

みんな一緒にあっち行ったりこっち行ったり…
そして忘れる…

ムヒカはゲリラであり、貧者の味方であり、
社会主義者であり、政治家となった…
投票に行くことを勧めている…

選挙とは国家が国民を従える巧みな装置のようにも見えてくる…
民主主義の名の元に…
自分にはまだ投票の価値が見えてこない…