牯嶺街少年殺人事件(1991)
監督 楊德昌(エドワード・ヤン)
教育と暴力…愛情と殺意…プレスリーと短刀…日本統治時代の遺産と、共産党の脅威と、アメリカ文化と…すべての敷居が消えた混乱の時代…台湾は1947年から1987年まで戒厳令下にあった…この映画は1961年に実際にあった事件がベースになっている…作中で主人公の父親(実父でもあるらしい)が激しい尋問を受けるのは当時の白色テロと呼ばれるものだろう…今は随分変わったように見えるが、微妙な立ち位置であることに変わりはない…最近の中国共産党の動きを見るなら寧ろ不安定な状況なのかもしれない…本当の友は誰なのか…誰が守ってくれるのか…何が自由で何が正義で何が悪なのか…
「東京物語(1953)」「大人は判ってくれない(1959)」「ミツバチのささやき(1973)」「ラルジャン(1983)」「白いリボン(2009)」が過った…「ラルジャン」「白いリボン」と同じように曲がない…カット割やパンも最小限に押さえてある…正対するカットが印象的に使われていた…