Fellow

■ われらみな食人種(「われらみな食人種」所収 )
■ 狂牛病の教訓(「われらみな食人種」所収 )
著 クロード・レヴィ=ストロース
監訳 渡辺公三
訳 泉克典

人は人を食べたいとは思わないだろう…
同じ理由で食べたくない動物たちがいる…

人は同胞を食べない…コーラ・ダイアモンドが見ているのは剥き出しの直感的な感覚だ…しかしレヴィ=ストロースが示すのは人によるカニバリズムの実態…単に愚かな行為、野蛮な行為として切り捨てられるものではないと言う…その意味合いも多様だ…栄養源、弔い、報復、魔術…ただそれらは逆に”超えることの重さ”を暗に示しているように思える…動物も人も供儀を通して神に捧げられた…動物の犠牲にもカニバリズム的意味合いが含まれていた…

同胞とは個(弧、死)を意識させる存在だ…
人と多くの動物たちを同胞と呼びたい…
個の消失は死を意識させる…

今日の文明社会において、動物の犠牲はカニバリズム的意味合い或いは重さを失っている…おそらく未開社会にはまだ残っているもの…野生動物や未開人は私たちとは違う世界に生きている彼らは有用性の世界の住人ではないこちら側の住人とは、文明人、家畜、ペット、動物園の動物たち、競走馬、警察犬、盲導犬みんなある意味同居人だ有用性の世界で社会の歯車となり、働き、”食べ物”になる…私たちはそこで、適正を生きているだろうか、生を全うしているだろうか…その社会は歪んだ侵食と排泄を繰り返し、未開人や野生動物の世界も徐々に飲み込もうとしている

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