शून्य

The Other Shore
Thich Nhat Hanh

◆ 是故空中無色 無受想行識

東と西はすでにお互いの中に含まれている…わざわざ出会う必要はない…言葉や記号や象徴に対応する姿や形のことを「相」と言う…「相」も色(体)と同じように空である…姿や形(相)を超越すると「私」や「私のもの」として認識できる独立した特質など何もないことが見極められるようになる…

無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 無眼界乃至無意識界

現象の十八の領域は、六種の感覚器官(六根)と、六種の感覚の対象(六境)と、六種の意識(六識)からできている…どの領域も単独で存在することはできず、関わり合っている…眼が見ているのではない…眼と形あるものが出会うところに視覚が生じる…考えることは、意識と意識の対象が出会った結果であり、そこに考える主体はない…認識する対象を見ることは、認識する者を見ること…

 ◆ 無無明亦 無無明尽 乃至無老死 亦無老死尽

輪廻転生と因果応報の概念はブッダに由来するものではない…仏教はサンサーラ(輪廻)とカルマ(業)の教えに重要な修正を行なった…十二縁起は転生と生まれ変わりを説明することが目的になり、真諦に触れる助けになっていない…甘さは甘さ以外の要素から成り立っている…悟りを開いた仏は五蘊があっても渇望なしに存在することができる…

従来の十二縁起を簡略化した繋がり…
無明 ▶︎ 行(我がある)▶︎ 生-死 ▶︎ 有-無 ▶︎ 輪廻

智慧に根ざしたもうひとつの繋がり…
智慧 ▶︎ 行(我がない)▶︎ 不正不死 ▶︎ 不有不無 ▶︎ 涅槃

いずれも直線的に進んでいくのではなく、すべてが相互に起因し合っている…輪廻を脱したとき、あらゆる概念が消滅した涅槃にいる…

◆ 無苦集滅道 無智亦無得

<苦諦> 苦しみがあるという認識…
<集諦> 苦しみの原因と条件…
<滅諦> 苦しみの消滅…
<道諦> 幸福につながる道…八つの正しい道(八正道)…

四つの聖なる真理は相互に関わり合い存在している…独立していない…人がいて人の意識がある限り、苦しみと幸せはあらわれ続ける…苦しみへの道が苦しみであり、幸せへの道が幸せである…道があってその先に達成があるのではない…道(関係のあり方)があるだけ…道が達成…

◆ 以無所得故

無願…得ようとしないこと…涅槃や悟りは掴むことを手放すことによって体験できるもの…何かを手に入れようとするから走らなくてはならない…現在と自分自身からの逃避…人は一生逃げ続ける…蓮は蓮としてすでに美しい…水仙になる必要はない…蓮の中に水仙があり、水仙の中に蓮がある…

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「自然」を基準に考えを巡らせると、どうしても人は異質な存在に見える仏教において教えというものがあるのも、その異質さを乗り越えようとするからなのだと思う異質さの根っこには「私」がある「私」こそ異質さの起源だだから読んでいて躓いてしまう混乱してしまう分からないというよりは、曖昧にしたくない