शून्य

The Other Shore
Thich Nhat Hanh

◆ 相即相入

紙は紙以外のすべてからできている…

相即相入とは Thich Nhat Hanh の造語…すべては繋がっていてひとつ…人が切って考えているだけ…人も例外ではない…私は私以外のものでできている…「それ」は「それ以外のすべて」からできている…切り取ったものは切り取ったもの以外のすべてからできている…すべては一つであり且つ Identity を作らない言葉使い…

◆ 観自在菩薩　行深般若波羅蜜多時　照見五蘊皆空

ここからが般若心経の本文…五蘊とは体（色）、感覚（受）、認知（想）、心の形成（行）、意識（識）のこと…人を形成する基本的或いは根本的なものだろう…観自在菩薩はこれらすべて「空」だと言う…実体は無い、単独では存在できないと…人を構成する五蘊も相即相入ということ…

◆ 度一切苦厄

ここで躓いてしまう…Thich Nhat Hanh は本当に理解したいのなら、その中に深く分け入ってひとつにならなくてはならないと言う…この言葉は自分だけではなく他者の理解も含むらしい…触れることができるのは空であれ唯一自分の内側ではないだろうか…私の出現は一人になることであり、理解しあうことができなくなることではないのか…他者と分かち合うことが本当に可能だろうか…さらに、般若心経を心の深い部分に照らして読むことができれば、苦しみを乗り越え安堵と幸福を体感できると言う…この部分はまだ自分には飛躍に思えてならない…

◆ 舎利子　色不異空　空不異色　色即是空　空即是色　受想行識　亦復如是

空とは独立した個の不在…空であるということは生きていると言うこと…息を吸って吐くこと…変化すること…私たちが空でないのなら生命活動をしない固体でしかない（そういうものはないのだろうが）…

◆ 舎利子　是諸法空相

すべての現象には空が記されている…本質的にそれだけ分離して独立した性質はない…空を空間の視点から見ると「インタービーイング」であり、時間の視点から見ると「無常」となる…

◆ 不生不滅

無から突如として何かになることはありえない…あるのは継続だけ…生まれるという概念は私たちの意識が作り出したものであり、同時に死も寄り添うようになる…Thich Nhat Hanh は何も生まれず何も死なないという…しかし私たちは「私」であり「あなた」である限り生まれて死ぬのだと思う…それもまた真実ではないだろうか…ここでも Thich Nhat Hanh は深い洞察によって苦しみや怖れから解放されると言う…解放とは「私」が消えて無くなるかのようだ…無くなることによってのみ可能なことじゃないだろうか…

◆ 八不中道

これも般若心経ではない…インド大乗仏教哲学のマディヤマカに相当する中国仏教の教え…

不生不滅　生じるのではない、滅するのではない
不断不常　存在するのではなく、存在しないのではない
不来不去　来るのではなく、去るのではない
不一不異　同じではなく、異なるのではない

相対するもののなかに中道を見出すこと…中道とは中間という意味ではない…相反するものの両方を否定すること…便宜上の真理（俗諦）ではなく、究極の真理（真諦）に触れること…

◆ 不垢不浄

汚れているのか無垢なのか…私たちは善悪の概念に囚われている…しかし善は悪があるおかげで存在できる…その逆も真…

誰かが生き残ろうとすると、もう半分も生き残ろうとする…それは人類全体がサバイバル化するということ…これがあるのは、あれがあるから…これがないのは、あれがないから…これがこのようであるのは、あれがあのようであるから…手を汚していないものは誰一人いない…社会の豊かさは、もう一方の貧しさから作られている…

◆ 不増不減

人は水と空気と大地を汚してきた…そのため有害なものが増え健全なものが減っている…しかしものの本質は何も増えず何も減っていない…人が死ぬように文明も終わりを告げる…怖れることはない…受け入れることで安らぎを得ることができる…何をすべきか見えてくる…

人は一枚の紙さえ破壊することはできない…

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近い実感がある…

https://hitkeas.com/2020/06/07/distortion/
https://hitkeas.com/2020/02/06/moral/
https://hitkeas.com/2019/06/01/%d1%81%d0%be%d0%bb%d1%8f%d1%80%d0%b8%d1%81/
https://hitkeas.com/2018/03/20/material/
https://hitkeas.com/2017/08/19/something/
https://hitkeas.com/2016/03/27/answer/

共有、解放とは「私」を「無くす」という極論ではなく「和らげる」ことによるものかもしれない…私が無くなるわけではないが、凝り固まったものを解すというか…深い洞察という意味でなら、不垢不浄の解説に共感できるものがある…

たびたび肉の消費量を減らすことへの言及がある…
強い口調ではない…

環境破壊の原因が欲望ではなく怖れにあるとしている点が興味深い…

これらはひとつのことを説明するために語られている言葉だ…
般若心経が伝えようとしているのは、ただひとつのこと…