モラルの話(2018)
著 J.M.クッツェー
訳 くぼた のぞみ
法律のように明文化されてはいないが、何かを要求するもの…それを形作るこころの動きに支えられている…モラルはこころの動きによって発動し、常にこころの動きとともにある…それは違う時代、土地、文化、立場…によって違う顔を見せる…
無償の助け合う感覚は本能に近い何かが作動したことのように思える(相互扶助)…それは動物にも見られることかもしれない…モラルとは、それとは別の複雑な社会性を持ったものではないだろうか…モラルとは人間社会を形作る基礎になっているもの…
傷つけないことはモラルに適った行為だが、傷つくことそれ自体がすでにモラルの侵入を意味している…反応以前に、傷つくという可能性が常に潜在的にあり、何らかの価値観を内包している…傷つくとは一瞬にして(常に)求め、裏切られること…傷つくとはすでに社会(ひと)がモラルで維持されている証し…そして傷つけないこともまたモラル…絡み合って社会が維持される…
[…] 倫理… それは無償の感覚や感情とは関係ない… 自分あるいは他者に要求すること… https://hitkeas.com/2020/02/09/moral-tales/ […]