Amish

スイスに起源を持つキリスト教の分派がドイツ時代を経てアメリカに移住した現在オハイオやペンシルベニアを中心に人口20万人以上が居住しているなかでもランカスターは最初の入植地であり、最も人口密度の髙いアーミッシュ居住区になっている多くの居住区/教区ごとに違う習慣も存在するが、共通する特徴が彼らのアイデンティティを支えている

アーミッシュの生活は教区によって分けられるランカスターには160の教区がある教区は4~5名のリーダー(監督1名、説教者2~3名、執事1名)によって運営される彼らは「くじ」と呼ばれる聖書の慣例によって選任され、無報酬で一生涯奉仕する教会はなく、隔週日曜日に一軒の家に教区内200人以上のアーミッシュが集まり、質素な食事会と礼拝式が行われる…

アーミッシュは成人洗礼を重視している洗礼は17歳~22歳で行うのが一般的で、それ以前は形式的な裁可に直面することはないしかし洗礼後は生涯にわたって教会に従うことを誓うもし誓いを破り教会を離れるのならば、破門とシャニング(忌避)を受けることになるシャニングとは懲戒のひとつで、破門ではないが、家族との食事ができないなど会員との交流が制限される罪を認め告白することで教会に復帰できる

アーミッシュの根本理念であるゲラーセンハイト(服従)は自己の放棄、神の意志の受容を意味する個人主義はうぬぼれであり、静穏と平等を乱すものとみなされている自分を見せびらかす装飾もタブーであるアーミッシュは非暴力、報復しないこと、敵を愛することを精神の中心におくアーミッシュは軍隊に入らず、訴訟も起こさない

アーミッシュにとって新約聖書以外に「オルドヌング」として知られる規則集が宗教上の柱となっているオルドヌングは顎髭を生やし、馬車を使い、ドイツ語方言を使うなどの行動を規定しているオルドヌングはリーダーたちの集まりによって吟味され更新されることもある