SAPIENS

帝国とは、独自の文化と領土を持った多数の民族を支配下におき、境界が絶えず変動する特徴を持っていた…帝国は大きさや人口や軍事力や独裁制ではなく、多様性と柔軟性によって定義できる…征服された無数の小さい少数民族は長い時間をかけて消化吸収され、固有の文化は徐々に消滅した…
サピエンスは他の社会的動物と同じように自分たち以外を別ものとする民族的排他性を持っている…しかし帝国のイデオロギーは、逆に世界の人々を包み込みさらに面倒を見ようとする…被支配者のための支配…この慈悲深さは征服を正当化するとともに、反乱や抵抗を沈める味方にもなった…滅亡する帝国は、反乱ではなく支配層の内部分裂か外部侵略が要因だった

被征服者にとって同化する過程は不快であり馴染むまでには数十年を要した…しかし次第に帝国文化を受け入れ、やがて受け継いだ帝国文化の名の下に対等の地位を要求するまでになる…そして帝国の創始者は他民族のエリート層に支配権を譲る…帝国の繁栄、発展の流れ…

帝国に対する批判的見解は確かにあるが、実際は過去2500年のあいだ、最も一般的で最も安定した国家体制であり、今日の世界の文化は帝国が築き上げたものに依存している
現在、地上に「純粋」な固有文化は存在しない…例えばインドの英語、クリケット、チャイはイギリスの遺産…日本は欧米の遺産だらけ…

将来の帝国は真にグローバルなものになる…実際に全世界に君臨する帝国が実現しようとしている…
温暖化対策など、地球規模の共通した利益追求が世界の政治の指針になりつつあり、勝手な宣戦には世界が監視の目を光らせる…国民主義は衰え、国家は急速に独立性を失い、資本と労働力と情報は世界規模で動き、国家間の境界は次第に意味を失ってきている

エリート層に対する新帝国への呼びかけは始まっている…